アグレッシブマッシブ
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踊るでしかし(前編)
ドラマのような恋がしてみたい。



誰もが一度は憧れるあの名場面、名台詞。

私もあんなことやこんなことされてみたいと夢を抱き、その訪れを待つ。しかし現実において、そんなワンシーンに出くわす確率は極めて低い。無いに等しい。

愛する香里奈がCMで、「彼氏募集チュ~」なんてドキドキすること言っているが、実際それに当選する確率は極めて低い。無いに等しい。


「奇跡よおこれ!」


と強く叫び、ブラウン管の前で手を合わせたところで間違いなく何もおこらないし、オカンに大きな声を出すんじゃないとおこられるだけだ。


さて、僕はこう見えて案外ロマンチストだ。
わりとやんわりロマンスの神様だ。

どれくらいロマンチストかというと、自分の車のトランクに彼女へのプレゼントを入れておき、


「あ!いっけね!車の中に忘れ物してきちゃった!」


なんて言って、彼女に取りに行かせトランク開けたらビックリ!
みたいな恥ずかしいドッキリをやってのけた過去もある。


トランクひとつだけでロマン飛行へIN THE SKY
とは、まさにこのことだった。

しかしこれは若さゆえに成し得たオリジナリティー溢れるロマンチックプレイであり、今ではなかなか照れがあって出来ない。


「さあ、次は僕のトランクスをお開け!」


なんて言ってしまうくらい本当はロマンチストなのに。

夜空に光る星達を見上げ、綺麗だなぁとチャリンコを引いて歩いていたら、道から外れて田んぼにチャリごと落っこち、チャリと買ったばかりのシカゴブルズの革ジャンが死亡したことだって勿論ある。


「ロマン輝くエステーヌより、プラチナダイヤモンド入りネックレスうぉペアで」


くらい本当はロマンチストなのに。


僕だってドラマのような恋に憧れる一人だ。

ありえないシチュエーションでお互いが感動しちゃうような出会い。
稲妻にうたれるような恋がしたいと思っている。

フォー、ビューティホー、ヒューマンライフ
を送りたいと思っている。

今回は、そんな隠れロマンチストである僕の憧れる『理想のシチュエーション』を書きたいと思う。どうぞ見てくんなまし。





その夜、小野はとあるBARにいた──




ここは小さなBARだが店内にはダンスフロアがあり、週末にもなると踊りたい若者達が集まり賑わいをみせている人気のBARだ。

小野は店のマスターから「ゴキゲンなやつヨロシク」とDJを頼まれたのだったが今日は平日。しかも外は雨。やはり客もまばらで、曲も静かなジャズをチョイスしてかけていた。

しばらくすると店内に一人の女が入って来た。体はビショビショに濡れている。どうやら傘もささずにここまで来たようだ。
女はオーダーもせずに、そのままDJをしている小野の方に歩み寄って行った。


そして一言こう言ったのだ。
















「ねぇ、オギノメかけてよ」
















オギノメだと?



荻野目洋子しか浮かんでこないがまず荻野目で間違いないだろう。

人が気持ちよく雰囲気を考え選曲しているというのに、いきなり入ってきて荻野目をかけろだと?まったくなんて厄介な客だ。

怒りたい気持ちをおさえ小野はこう言って返した。

「ごめん、今日は荻野目ちゃん持ってきてないんだ」

すると女はうつむいて、こう呟いた。

「だよね、無いよね、オギノメなんて…」

女の瞳はみるみる潤みだし、それを隠すかの様に振り向き店を出ようとした。


女の涙の訳は一体……


小野は女を放っておけなくなった。


「チッ、しょーがねえなぁ。ねぇあんた!ちょっと待ちなよ!」

「え?」

「かけてやるよ!オギノメ!」

「ほ、本当かい?いいの?」

「ああ、いいよ!なぁマスター!マスターもゴキゲンなやつが聞きてぇんだろ?」

「そうだなぁ!お嬢ちゃんが好きそうなゴキゲンなやつヨロシク頼むぜ!」

「あ、あんた達…。でも、オギノメ持ってるのか?」

「安心しな!俺のレコ箱は四次元ポケットばりにアンアンアンだぜ!ちょっと待ってな!」


小野はレコードを探し始めた。


「荻野目、荻野目、確かこの辺に………あった!

なぁ姉ちゃん、何があったか知らねえけどよ!コイツ聴いて踊ってりゃ嫌なこと全部忘れちまうぜ!」

「うん!!」


女が見せた初めての笑顔だった。



「よし行くぜ!曲は、ダンシング・ヒーローだ!」




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↑後編へと続く。クリックプリーズ。


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 2006.09.21 Thu
  t:0   [妄想]
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